四季折々に魅せる、海、山、里の食材と料理。酒蔵ごとに個性を持つ地酒。
「もっと地元の食を伝えたい」と「庄内ざっこ」の店長、齋藤亮一さんは日々腕をふるっています。
「庄内ざっこ」はその名前のとおり、庄内浜で水揚げされた魚介を主に、旬の地物野菜をふんだんに盛り込み、彩りあふれる季節料理を提供しています。お料理だけでなく店内のしつらえも洗練され、普段使いやビジネス、ランチ、宴会など幅広く利用されている人気店です。カウンター席につくと、傍らの水槽には時季の魚が泳ぎ、目の前でさばかれるお造りの美しさとその味に、食の風情を感じることができます。
店長の齋藤亮一さんは、顔の見える食材を使用したいと、野菜の調達は産直へ足を運び、時には直接生産者のもとで仕入れることもあるそう。そうした多くの食材の中で、通年メニューに使われているのが「米の娘ぶた」です。ランチでは麦切りのつけダレの中に、ディナーではしゃぶしゃぶなどの鍋料理やコースの一品に加えるなど、さまざまに調理して提供しています。
「米の娘ぶた」のベーコンも自家製で手作り。
質の良い脂の味と豊かな肉質を生かしたメニューを提供しています。
「『米の娘ぶた』を選んだのは、単純に食べておいしいという理由でした。私はシンプルにグリルして塩で食べるのが好きですが、野菜との相性もぴったりですし、一緒に食べれば体へのビタミンの吸収も良くなります。質の良い脂の味を十分に感じてもらえるよう、火加減に気をつかって最もおいしい状態に仕上げています」。
また、お店で提供している「米の娘ぶた」のベーコンも齋藤さんの手作り。「『米の娘ぶた』のヒレ肉をこのベーコンで巻いてグリルし、コースメニューでお出しすることがあります。きめの細かいヒレ肉のやわらかさ、カリカリベーコンの香ばしさ、同じ肉でありながら2つの食感が一度に楽しめて、『米の娘ぶた』の豊かな肉質を味わえるニューです」。
お客様の評判も良く「なぜ『米の娘ぶた』を使っているのですか?」と興味深げに聞かれることも。店内には「米の娘ぶた」がお米とホエー(乳清)を食べて育った環境や、おいしさのヒミツが書かれたポスターが掲示されていました。
庄内で料理を味わって、本当においしいモノを知ってもらいたい。
齋藤さんはきき酒師(ききざけし)とソムリエの資格を持ち、それぞれの料理にどのようなお酒が合うか、お好みのお酒にどんな料理が合うかを提案してくれます。「食生活は時代と共に変わってきているようですが、まずは庄内に来て、おいしい料理を味わっていただいて、本当においしいモノを知ってもらえたらうれしいですね」。美酒佳肴に旬を感じ、お店に集う人たちと共に過ごす一期一会のとき。多くの人がそんな庄内ざっこのひとときに魅了されるのかもしれません。
「米の娘ぶた」のみそ漬け焼き
焼きながら溶け出す脂をソースとしてお肉に絡め、みその風味を引き出した香ばしい一皿。日本酒なら純米酒のぬる燗、ワインなら軽めのロゼと一緒に。
店長 齋藤 亮一 さん
鶴岡市出身。大学では経済学を学び、卒業後に専門学校で日本料理を学ぶ。東京の日本料理店で5年間の修業を経て、帰郷。地元に戻りあらためて感じたのは、おいしい肉、魚、野菜、米があること。料理の技術を磨きながら、きき酒師とソムリエの資格を取得。日々お料理とお酒でおもてなしをしている。
取材・文=阿部 薫
庄内ざっこ
営業時間/
[昼]11:30〜14:00(L.O.13:30)
[夜]17:00〜22:00(L.O.21:30)
定休日/日、月曜日 不定休あり
鶴岡市本町1丁目8-41 Tel.0235-24-1613
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
「米の娘ぶた」ロース天
ローズマリーを添えた香りも楽しめる天ぷらを教えていただきました。上手に作るポイントは、調理する前にお肉を常温に戻しておくこと。厚さ1cm以上のお肉を使うことで、よりジューシーな脂を楽しめるそうです。付け合わせには、産直などに並ぶ季節の生野菜や、ルッコラやネギ、スライスした根菜などを添えて一緒に味わってみてくださいね。
- 「米の娘ぶた」肩ローススライス 130g (厚さ約1.5〜2cm)
- 塩 適量
- こしょう 適量
- ローズマリー 適量
- 天ぷら粉、水 適量
- 揚げ油 適量
- 大根おろし 適量
- 万能ねぎ 適量
- 季節の野菜 適量
- ポン酢(市販品でOK。香り高いものならなお可) 適量
- お肉は常温に戻しておく。
- @に塩、こしょう、ローズマリーで味を付ける。
- 天ぷら粉と水をあわせて衣を作り、Aに付けて、170〜180℃の油でカラッと揚げる。
- Bを切り、器に乗せ、大根おろしと万能ねぎ、季節の野菜を合わせて、お好みでポン酢をかける。
「米の娘ぶた」の角煮
焼酎と水でじっくり煮込んだお肉は、箸でスッと切れるやわらかさ。あんのとろみが相まって、「米の娘ぶた」のうま味とホロホロとした食感がほどけるよう。季節の野菜とあわせて上品な味わいに仕上げています。