「山形の地酒とこだわりの料理を提供したい」との想いでオープンから2周年を迎えた「夜the藏」。
おおいに賑わう店内で、店長の鈴木壱幸さん自慢の食材についてお話を伺いました。
多くの日本酒ファンが夜な夜な集う「夜the藏」には、県内全域から集められた地酒がずらり。メニュー表には、お酒の名前と特徴、酒蔵の場所まで手書きで細かく紹介されています。「蔵元に直接買い付けに行くものもあります。お酒の味わいを開拓しながら、さまざまな種類を揃えています。日本酒にこだわっていると言うと敷居が高く思われそうですが、若い方や会社帰りの方などにも気軽にご利用いただいています」と話す店長の鈴木壱幸さん。地酒だけでなく食事メニューもこだわりが見て取れます。
大石田の老舗漬物店で作られた昔ながらのお漬物は添加物・着色料不使用、風味豊かな山辺・中山町産のぎんなん、脂が軽くあっさりと食べられる白鷹町産の馬刺しなど、鈴木さんが求め続けたたくさんの県産食材が揃います。「おいしい食材や塩を選び、シンプルに調理しています。素材そのものの味をお酒と一緒にとことん楽しんでもらいたいですね」。
「米の娘ぶた」は脂のうま味がとても強い豚肉。
シンプルに焼いたり、しゃぶしゃぶにして食べるのが私は好きですね。
「米の娘ぶた」は鈴木さんがお店のオープン当初から使用している食材の一つ。「米の娘ぶたは、脂のうま味がとても強い豚肉です。シンプルに焼いたり、しゃぶしゃぶにして食べるのが私は好きですね」。人気の定番メニューの「トンテキ大根おろし」には、しゃぶしゃぶやとんかつなどによく使われる豚ロースを使用しています。肩ロースに比べて肉質がやわらかく、脂の質が高い部位です。そのため調理の火加減が難しいとされていますが、夜the藏では両面の焼き加減を絶妙に変えながら、お客様にお出しした時にちょうどの食べごろを演出しています。
白だしで味付けした大根おろしは、消化を助けてくれるだけでなく、たっぷりのネギと一緒に肉の味をより引き立てています。さっぱりとしていて、これからの暑い夏にも元気が出るメニューです。また、定番メニューには同じシリーズで「トンテキ きのこバター」があり、冬にはキムチ、昨夏には梅シソなど、期間限定のトッピングに出合えることも。シンプルだからこそできる、さまざまな味の組み合わせ。常連さんも飽きさせない鈴木さんのアレンジがきいています。
何度でも足を運びたくなるような、居心地の良い居酒屋を目指して。
夜the藏では、山形の地酒をもっと楽しんでもらいたいと、3種の地酒を選べる「地酒飲み比べセット(おつまみ付き)」や、幻のお酒を乾杯酒で華やかにいただく「十四代で乾杯コース」などの各種プランが用意されています。「何度でも足を運びたくなるような、居心地の良いお店を目指しています。普段使いから、大切な方へのおもてなしまで、ぜひ皆さんにご利用いただきたいですね」。
店長 鈴木 壱幸 さん
山形市出身。子どもの頃から家事を手伝って自分で料理を作るように。次第に飲食業への関心が高まり、山形調理師専門学校へ進学。立ち飲み居酒屋、焼肉店、居酒屋、アジア料理店などさまざまなジャンルのお店で経験を積み、平成29年6月に「夜the藏」をオープン。会社を法人化し、今後は店舗展開も計画している。
取材・文=阿部 薫
夜the藏(よざくら)
営業時間/17:30〜24:00(L.O.23:00)
定休日/日曜日(祝前日を除く)
山形市七日町2-4-18七番館1F Tel.023-674-9234
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
「豚ネギしゃぶしゃぶ」
お店で人気の鴨しゃぶを家庭用にアレンジした豚しゃぶは、材料がたったの2つ!肩ロースは脂身と赤身のバランスが良く、ネギと一緒にどんどん箸が進みます。晩御飯にもお酒のおつまみにも、〆のうどんまで家族みんなが喜ぶ一品。鈴木店長が「忙しい日も家族での食事を楽しんでもらえるように」と教えてくれた、暑い夏にも食欲をそそる簡単・時短メニューです。
- 「米の娘ぶた」肩ローススライス
- 長ネギ
- 麺つゆ、水
-
うどん
※すべてお好みの分量で
- ネギは白髪ネギに。斜め切りにしてから千切りにすると簡単。
- 鍋に麺つゆと、希釈に必要な量の水を加えて加熱する。
- Aが温まったら、豚肉とネギを入れて、豚肉に火が通ったらできあがり。
- しゃぶしゃぶを何度か楽しんだ後、シメにうどんを入れるのがオススメ。
トンテキ 大根おろし
熱した鉄板のお皿に、加熱した豚ロース、たっぷりの大根おろしとネギを乗せて。塩とこしょう、白だしというシンプルな味付けで、豚ロースの脂のうま味が際立つ一品です。大根おろしにもうま味がしみて、最後の一口まで大満足!