プロに教わる、おうちで米の娘ぶた 編
ソーシャルディスタンスの確保で人と人との距離は離れていても、おいしい食事は心の距離をぐんと近くしてくれます。今回は食卓の会話も弾む料理レッスン編。
「シンプルなのにうまさが伝わる」洋食×豚肉の一品を、ホテルリッチ&ガーデン総料理長で庄内DECクラブ会長の佐藤徹シェフに教わりました。
以前よりも家庭で料理をする人が増えた今、じっくりと手間をかけて作りたい豚肉料理を、佐藤シェフに教わりました。
「プロシュートコット」は、塩漬けして加熱した「ハム」のこと。「本来の豚肉の味を楽しめるのが、こういったシンプルで洋食の基本といえる肉料理です」。佐藤シェフが豚肉料理の面白さを知ったのは、庄内の洋食文化の第一人者、太田政広シェフが作る「アイスバイン」だったそう。この料理は、豚のすね肉を塩漬けにして煮込んだドイツの家庭料理です。「豚肉をおいしくする塩分濃度やスパイスなどの調味料があって、そのコツを知っていればご家庭でもうまくアレンジができると思います」。
佐藤シェフいわく、塩分は使用する豚肉の分量に対して0.8〜1%が豚肉のうまみを引き立てるとのこと。「米の娘ぶた」はまさにうま味が持ち味ですが、ハムにするときめ細かな肉質がしっとりとした食感になり、うま味がぐんとまろやかに。ぜひ「米の娘ぶた」で、自家製ハム作りをじっくりおいしく楽しんでみてくださいね。
- 「米の娘ぶた」もも肉 300g
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【ソミュール液】 ※塩漬け液
- 塩 30g
- 水 300ml
- 玉ねぎ(スライス) 30g
- にんじん(スライス) 20g
- 長ネギの青い部分 10g
- にんにく 1/2片
- ハーブ(ローズマリーかタイム) 適量
- スパイス(今回はクローブ2粒、ローリエ1枚、ブラックペッパー適量、シナモン)
肉の数カ所に竹串を刺して、味が浸透しやすくする。
ソミュール液を作る。鍋に材料を入れてひと煮立ちさせたら、火からおろして氷水などで冷ます。
容器などに@とAを入れて、3日〜1週間冷蔵庫に入れて漬ける。しっかり漬け込みたい場合は日数を取って、あっさり仕上げたい場合は3日程度。
Bを流水に30分ほどさらして塩抜きをしたら、ジップロックなどに入れて密閉する。
炊飯器に沸騰させたお湯を入れる。保温機能を使って70〜75℃を保ちながら40分〜1時間ほど加熱する。
- ※Cを入れると少しお湯の温度が下がります。炊飯器のふたをする前に湯温をチェック
- ※保温温度は各メーカー、商品によって異なります。
フライパンに油を引いて熱し、Dを入れて表面に焼き色を付ける。お好みの厚さや形にカットして、さまざまな料理にアレンジを。
ホテルリッチ&ガーデン酒田
総料理長 佐藤 徹 さん
鶴岡市出身。昭和58年、酒田調理師専門学校を卒業後、ル・ポットフーをはじめ、庄内地域の洋食店で経験を積み、平成26年より現職。庄内地域の洋食料理師会「庄内DECクラブ」の会長も務める。情報誌『庄内小僧』では「オレ流創作料理」も好評連載中。
取材・文=阿部 薫
「米の娘ぶた」の
プロシュートコット
〈豚の焼きハム〉
「米の娘ぶた」のうま味をしっかりと引き出した、しっとりとした食感のプロシュートコット。 季節の野菜や果物とあわせてサンドイッチやサラダと合わせたり、燻製シートなどを使って一味違った風味を楽しんだりとアレンジも自在。日持ちは冷蔵庫に入れて1週間程度が目安です。