心とからだを元気にしたい時、あなたはどんなことをしますか？
山形市七日町のメイン通りにある「大衆酒場 ござった」は、お昼は食堂、夜は居酒屋としてお客様の心とからだを癒やす空間と食を提供しています。

子どもの頃、食堂を営んでいたおじいさんのごはんの味の記憶から、いつか自分も料理人になってお店を持つことを思い描いていたという奥山直人さん。昨年７月、七日町のメイン通りに「大衆酒場 ござった」をオープンしました。店名は“来てくれてありがとう”の意味の山形弁。昼と夜の営業で、周辺で働く人たちや、買い物や観光でまちなかを訪れた人たちが気軽に立ち寄るお店となっています。

お肉の知識を追及すべく精肉部門を担当、「米の娘ぶた」の品質の良さを実感

和食の基本を学ぶため、料亭や寿司屋、海鮮居酒屋などで修業を積んだ奥山さんは「お肉のことをとことん知りたかった」と、「米の娘ぶた」を育てる大商金山牧場に勤務。業務卸用の精肉を担当し、スライスなどの加工も経験する中で、卸先の要望に幅広く応えられる「米の娘ぶた」の肉質の良さを感じていたそうです。

「手でさわった感触が他のお肉とはまったく違います。ぎゅっとしまっていて、赤身と脂身のバランスが見事。ドリップ（肉からにじみ出る水分）がなく、火が入りやすく、うま味を一気に閉じ込められる。豚肉独特のクセもなく、その分甘みが感じられて、これほどのお肉がスーパーでも買えることを、もっとたくさんの人に知ってほしいとずっと思っていました」。

肉質に合わせて料理を提供、米の娘ぶたの良さを存分に味わえるメニューに

お店では部位を選んで仕入れ、それぞれの肉質に合わせたメニューを提供。ヒレカツ、しょうが焼き、酢豚、ぎょうざなど、さまざまな「米の娘ぶた」を味わうことができます。内モモ肉は脂分の少ない赤身で、焼肉にしてもあっさりとした味わい。うで肉は特にうま味の強い部位で、野菜炒めにするとうまみ倍増、人気の一皿です。

他にもお店では旬の魚や地酒と、この土地の季節を味わえるメニューを用意。どちらも市場や酒蔵で直接仕入れ、お肉同様、魚や酒の持ち味を生かして、食材の質の高さを感じてもらうことを大切にしているそうです。「お料理をおいしく召し上がっていただきたいので、店内も快適な空間づくりを心がけています。気軽に楽しい時間を過ごしてもらえたらうれしいです」。

最近はランチの営業やテイクアウトの対応も始めたことで、「こんなメニューも食べてみたい」などこれまでとは違ったお客様の声も聞かれるようになりました。「コロナ禍で気持ちは沈みがちですが、私は食から元気を届けていきたい。豚肉は疲労回復にも効果的だといわれます。食欲の秋もエネルギーを蓄えたい冬も、おいしく食べて、体の中から笑顔になってほしいですね」。