日本海を望み、鳥海山を仰ぐ「鳥海温泉 遊楽里」。季節、時間ごとに移りゆく自然が織りなす景色と、山形・遊佐町の旬を味わうことができる温泉宿です。
雪化粧の鳥海山が空に映える小春日和、ドライブがてら遊佐町の鳥海温泉郷へ。「鳥海温泉 遊楽里」は、観光やアウトドア、ビジネスなどの拠点として、幅広く利用されている温泉宿泊施設です。「秋には川に鮭が遡上する様子が見られます。冬は温泉、地酒もいいですね。春は桜、夏には湧水めぐりもおススメです」と、フロントで遊佐町の四季の見どころを教えていただきました。
特に“あたたまりの湯”といわれる遊楽里の温泉は、冬の行楽にぴったり。その温泉旅をさらに楽しませてくれるのが、その土地の旬を味わえる食事です。食事会場は宿泊客だけでなく、ランチや予約制のディナー・会食などどなたでも利用でき、日本海を一望する絶好のロケーションで、食事のひとときを味わい深いものにしています。「お客様に新鮮な旬の味覚を堪能してほしい」と、海産物はシェフが市場で仕入れ、米や野菜も地元産。「米の娘ぶた」も自慢の食材の一つです。
良質な「米の娘ぶた」を地元の人に知ってほしい、その想いで持ち味を生かしたしゃぶしゃぶに
シェフが「米の娘ぶた」を知ったのは自宅で食事をしていた時のこと。そのおいしさに思わずパッケージを確認して、早速ホームページを検索したところ、自然豊かな金山町の農場で丁寧に育てられていること、えさは国産の飼料用米と、乳製品を作る際にできるホエー(乳清)を合わせたものを与えていることを知りました。
「いい環境で良質な肉を作られているので、ぜひ料理を通して地元の人に知ってほしいと思いました」。肉質はきめ細やかでやわらかく、加熱しすぎても硬くならず、焼き縮みも少ない。脂身はあっさりとした甘味を持ち、噛むほどに深い味わいがある。その持ち味を生かすために、メニューとして考案したのが、厚さ2.5ミリにスライスしたロース肉のしゃぶしゃぶでした。
ここで素敵な食材を知って、繰り返し訪れていただけるよう、満足いく料理のために探求を重ねる
「素材が持っている味があるので、余計な味付けをしないのが一番おいしい。ロース肉の上品なうま味を感じていただけると思います」。しゃぶしゃぶは予約や各種料理プランでのみオーダーが可能です。「『米の娘ぶた』をはじめ、山形や遊佐町にはたくさんの素敵な食材があることを知ってもらうために、私たちは調理をしています。ここでの食事を通して、その素材の良さを知るきっかけになってくれたらうれしいです」。
“何度も訪れたいと思っていただけるように”と、料理を日々探求し、満足いくものを提供したいと話すシェフ。次はここから何をしよう、次はどの季節に遊びに来よう、新しい年の楽しみがここから膨らみます。
取材・文=阿部 薫
レストラン
鳥海温泉 遊楽里
山形県飽海郡遊佐町吹浦字西浜2-76
Tel.0234-77-3711
営業時間/
ランチ11:00〜14:00(L.O13:30)
※その他の時間は予約制で会席膳を提供
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
「米の娘ぶた」肩ロースのロースト
とにかくおいしく簡単に!「ラ・メール」のシェフが教えてくれたのは、家庭でできる低温調理。味付けして焼き色を付けたら、あとは炊飯器にお任せ。写真のように揚げねぎや刻みわさびとあわせたり、塩やわさびじょうゆをつけたりとさまざまな味のアレンジもきくレシピです。
- 「米の娘ぶた」肩ロースブロック 300g
- 塩 適量
- 黒こしょう 適量
- 肉は少し強めの塩と黒こしょうで味を付け、均一に熱を通すため常温に1時間ほど置く。炊飯器は保温状態にしておく。
- 油をひいたフライパンで、@の表面全体をしっかり焼きつける。
- 全体に焼き目が付いたら、熱いうちにアルミホイルできつめに包む。さらにその上からアルミホイルで2重に包む。
- Bをすぐに保温状態の炊飯器に入れ、2時間放置する。
- 炊飯器から取り出し、肉汁が安定するように常温で少し休ませる。
- お好みのサイズに切り、お好みの野菜などを添えてできあがり。
「米の娘ぶた」
ロース肉のしゃぶしゃぶ
シンプルな調理法だからこそ、肉のおいしさが実感できる「米の娘ぶた」の肉厚2.5ミリのしゃぶしゃぶ。熱を加えても硬くならず、噛むほどにうま味が感じられます。予約または料理プランの一部として提供。