中国料理と「米の娘ぶた」の相性の良さを教えてくれた南陽市「蒼天」の長谷部智彦シェフを再訪!
今回は家庭でできる中国料理のポイントをお聞きしました。
中国料理は「火の料理」とも例えられるように、強い火力の調理が一つの特徴です。「ご家庭のテフロン加工のフライパンで作る場合は、強火で火から離さず調理をするのがコツです」と長谷部シェフ。今回のレシピの中でも、チャーハンはパラパラになるよう強火で炒めますが、炒めすぎるとごはんから粘りが出てしまうのでご注意を。
また、香り揚げのように中国料理は調味料や香辛料を多く使いますが、その分だけ食材の存在感を必要とします。長谷部シェフが「米の娘ぶた」を使っているのも、お肉の味や香りが感じられるからとのこと。お店のメニューでは、青椒肉絲はもも肉、酢豚は肩ロース、こま肉などもその特徴を生かして、すべて無駄なく使い分けています。
「この料理にはこの部位を使うという決まりはないので、脂身の多いバラ肉、脂身の少ないもも肉、バランスのいい肩ロースと、ご家庭でもお好みの食感で使い分けるのがいいと思います。脂身が苦手な方もいますが、『米の娘ぶた』の脂は甘くて格段においしく、胃もたれしません。また、冷めても硬くならず、臭みもないので、やわらかくしたり臭みを消したりなどの手間がかからない、使いやすい豚肉ですね」。
その時の会話や料理の味が、思い出に残るものであってほしい
中華料理ではなく中国料理の味を楽しんでほしいと話す長谷部シェフの料理は、麺やご飯ものも人気がありますが、やはり一品料理が真骨頂。数種類の料理を何人かで分け合いながら、お酒と一緒に楽しむ人も増えました。「その時の会話や料理の味が、その人の思い出に残るものであってほしい」と話すシェフは、今からの季節、卒業や入学、就職祝いなど、家族や友人たちと食事を楽しめるお祝いプランを予定しているとのこと。食感も味わいもさまざまなバリエーションで会話の弾む中国料理。お店で、お家でぜひ楽しんでみてくださいね。
中国黒酢の酢豚
黒酢と豚肉だけで作る北京風の酢豚。肩ロースの赤身と脂身のバランスの良い食味を、黒酢のまろやかな酸味が引き立てます。
青椒肉絲(チンジャオロース)
ピーマンは油通しせずに炒めることで「香りが立って甘みも出る」とシェフ。水溶き片栗粉は沈殿した片栗粉をひとつかみして加えることで水っぽくさせないのがプロの技。
オーナーシェフ 長谷部 智彦 さん
南陽市出身。高校卒業後、福島県の調理師専門学校に進学。パレスグランデールに就職し、中国料理を担当。料理人の塩梅で豪快に調理する中国料理に魅せられる。その後、ホテルキャッスルなどで修業を積み、2010年に「中国料理食彩厨房 蒼天」をオープン。中国料理の専門調理師資格を持つ。
取材・文=阿部 薫
中国料理食彩厨房 蒼天
営業時間/
昼 11:30〜14:00(L.O)
夜 17:30〜21:00(L.O)
定休日/
月曜日(祝日は営業、翌日定休)
山形県南陽市宮内786-1
Tel.0238-47-4747
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
市販の材料や調味料で簡単にできる中国料理レシピを教えていただきました。前菜が冷しゃぶ、主菜が香り揚げ、シメにチャーハンと、ぜ〜んぶ豚肉料理なのに飽きのこない味つけで、ついつい箸が進む3品です。
冷しゃぶサラダ
- 米の娘ぶた しゃぶしゃぶ用 10枚
- 水菜、赤玉ねぎ、赤パプリカなどお好みで 適量
-
【タレ】
- 甜麺醤(テンメンジャン) 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
- 砂糖 大さじ2
- ラー油 小さじ1/2
- おろしにんにく 少々
- 付け合わせの野菜は食べやすい大きさにスライスするなど下準備をして、皿に盛り付けておく。
- お湯を沸かして豚肉をしゃぶしゃぶにする。火が通ったら自然に冷ます(冷水にはつけない)。
- タレは調味料を混ぜあわせてお好みの味に調える。
- 豚肉の粗熱が取れたら@とあわせて盛り付ける。
「米の娘ぶた」の香り揚げ
- 米の娘ぶた とんかつ用肩ロース 2枚
- 薄力粉 適量
- 片栗粉 適量
- 揚げ油
-
【漬けタレ】
- しょうゆ 大さじ2
- 砂糖 大さじ1+1/2
- 料理酒 80ml
- オイスターソース 大さじ1/2
- 甜麺醤 大さじ1/2
-
【ソース】
- ウスターソース 大さじ1
- ケチャップ 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
- 漬けダレの材料をすべてあわせて、豚肉を10分くらい漬け込む。
- @の豚肉に薄力粉と片栗粉をつけて衣にする。薄めの衣になるように粉の量を調整する。
- フライパンまたは揚げ鍋に油を入れて、160〜170度の油で焦がさないように揚げる。揚がったら油をきって食べやすい大きさにカットする。
- ソースの材料を混ぜ合わせて味を調え、皿に盛り付けたBにかける。
※ソースはカレーパウダーやシナモンパウダーなどを加えたアレンジもおすすめ。
※サンチュやサニーレタスと白髪ねぎを一緒にまいたり、サンドイッチにしたりと楽しみ方もいろいろ。
「米の娘ぶた」と青菜のチャーハン
- 米の娘ぶた ひき肉 10g程度
- 青菜漬け(市販品で可) 適量
- ねぎ(みじん切り) 少々
- ごはん 茶碗大盛り
- 卵 1個
- 塩
- うま味調味料
- こしょう
- しょうゆ
- 酒
- ひき肉を少量の酒としょうゆで炒めておく。
- 青菜漬けは刻んで、卵は溶いておく。
- フライパンを強火にかけて油を引き、溶き卵を入れてごはんを加える。生卵でごはんをコーティングするようなイメージで手早く炒める。
- @のひき肉とAの青菜漬け、ねぎを加えてさらに炒め、調味料でお好みの味に調える。青菜漬けの漬け汁を少し加えても美味。最後に香りづけ程度にしょうゆを加える。
※ラーメンスープなどをかけて雑炊にするとシメにもぴったりです。
ナスと豚肉の唐辛子煮
細切りにしたナスと豚肉の炒め煮は、ピリ辛でほどよい酸味が食欲をそそります。