今年も鳥海山に、農作業の始まりを告げる「種まき爺さん」が現れる時季になりました。
すぐそばに山や海があり、田畑が広がる遊佐町。この町には、遊び心あふれる和食のアレンジで料理の楽しさを広げ地元食材のおいしさを再発見できるお店があります。
純和風のお部屋で地元食材の和食を楽しめる「華み壽㐂(はなみずき)」。ランチや宴会、法事など、幅広いシーンで地元の方に親しまれているお店です。
「遊佐町は食材の宝庫。鳥海山の湧水にも恵まれ、おいしい料理を作るのに最適な環境です。遊佐の湧水を使うと野菜が色鮮やかにゆで上がります」と店長の齊藤瑛一さん。料理には産直や生産者から仕入れた遊佐産の食材を中心に、齊藤さんが太鼓判を押す「米の娘ぶた」が多く使われています。
この日は、旬の孟宗筍と豚バラ肉の角煮や、山菜などと合わせた焼き物をいただきました。「肉質の良さは調理していてもよくわかります。角煮を作る時の水煮でも、他の豚肉より短時間でやわらかくなるんです。肉そのものに甘味があるのでみりんや砂糖も少量で済みます」。
単純な料理でもうま味が活きる「米の娘ぶた」は、安定した品質で料理の味がぶれない
煮る、焼く、蒸すなどの調理法の中で「米の娘ぶた」を一番おいしく味わえるのは、今回の焼き物にもある厚切りにしたバラ肉のグリルだそう。バラ肉を塩麹に半日漬けて蒸して炙った一品です。「脂がおいしいので、そのうま味が抜けないように単純な調理が向いています」。
しゃぶしゃぶや蒸し鍋などのシンプルな料理の一方で、食材のさまざまな組み合わせもこちらのお店が得意とするところ。豚レバーにひき肉とパルメザンチーズを合わせて孟宗筍と焼き上げるなど、和食に洋食のエッセンスを取り入れて、お客様の目と舌を満足させています。また何よりも「米の娘ぶた」の安定した品質が、料理の味にブレが生じず安心して使い続けられる理由とのこと。「成育段階での温度や湿度、エサの配合などの管理が徹底しているからでしょうね」。
食材への愛着を感じる料理の数々。旬が彩るアイデアあふれる一皿で、食の新たな感動を味わってみませんか。
「米の娘ぶた」と旬食材のプレート
孟宗筍と焼いた豚レバーとひき肉、ロース肉の塩麹焼き、角煮をチーズでとじたココットなどの「米の娘ぶた」3品に、メジカ、山菜などを盛り込んだ旬のワンプレート。木の芽みそのやさしい味わいがよく合います。
取材・文=綴 彩乃
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
「米の娘ぶた」豚バラのみそ角煮
豚肉と相性がいいのはみそ!ということで、白みそをこっくりと煮詰めた角煮に。冷めてもほろほろとやわらかく、脂はしっとりとなめらか。付け合わせの孟宗筍と一緒に味わうと、なんとなく孟宗汁を想わせます。
- 「米の娘ぶた」バラブロック 150g
- 孟宗筍 適量
- 酒 180ml(1合)
- みりん 90ml(0.5合)
- 砂糖 50g
- 白みそ 150~200g
- 白髪ねぎ 適量
- 糸唐辛子 お好みで
- 豚肉のブロックはフライパンで全面に焦げ目がつくように焼く。
- 孟宗筍は水煮をして輪切りにしておく。
- 大きめの鍋に①を入れてたっぷりめの水を加え、弱火で3時間ほど煮る。この時、大根の皮や輪切りを入れると肉がやわらかくなる。
- ③の水の量がひたひたくらいになったら、酒、みりん、砂糖、白みそを加え、落としぶたをして煮詰める。煮汁が半量くらいになってとろみが出たら、②の孟宗筍を加えて煮汁とあわせる。
- 器に盛りつけて、白髪ねぎや糸唐辛子を飾る。
「米の娘ぶた」の卵とじ
しゃぶしゃぶ肉のおいしさが際立つよう、シンプルな味つけに。合わせる野菜はお好みで。ごはんもお酒も進む一品です。
- 「米の娘ぶた」バラブロック 150g
- 孟宗筍 適量
- 酒 180ml(1合)
- みりん 90ml(0.5合)
- 砂糖 50g
- 白みそ 150~200g
- 白髪ねぎ 適量
- 糸唐辛子 お好みで
※うるいの他に、うどやねぎなどお好みで。
※具材は季節の野菜などお好みで。
※味付けも濃縮めんつゆなどの場合はお好きな味に希釈してどうぞ。
- ごぼうはささがきに、うるいはざく切り、しいたけは石づきを取って、孟宗筍は水煮して適当な大きさに切っておく。
- テフロン加工のフライパンに、ささがきごぼうとうるいを敷いて、豚肉としいたけ、孟宗筍を加え、めんつゆを入れて火にかける。煮立って豚肉に火が通ったら、溶いた卵でとじる。
「米の娘ぶた」と遊佐産野菜の蒸し鍋
バラ肉のアスパラ巻きとしゃぶしゃぶ用ロースに、紫にんじん、孟宗筍、野萱草(かんぞう)、それぞれの食材の良さが引き立ちます。こちらは5月の月替わりランチに登場。