最近はフランス料理もカジュアルに楽しめるようになりました。 気軽に立ち寄れて、ローコストで、もちろんおいしい、そんなうれしいお店が昨年11月、山形市にオープン。 お肉好きもワイン好きも、どちらも好きな方も、そのおいしさを知りたい方も。フランス料理がぐんと身近になるはずです。
フランスには、レストランやビストロ、ブラッスリーやカフェなど多種多様の飲食店があります。岩本文平さんがフランス料理店を地元山形にオープンするにあたって「肉とワイン」を看板にしたのは、「フレンチが高級で敷居が高いというのはあくまでイメージ。もっと身近なものになってほしい」との思いから。
さまざまな飲食業での勤務経験の中でフランス料理の楽しさを知り、その食文化であるジビエやワインを学ぶようになったといいます。「フランス料理とワインの組み合わせは、他にはない食事の醍醐味だと思います。また、ジビエは野生の食肉ですが、おいしくいただくことを通して害獣駆除の理解にも貢献できれば」。
雑味がない「米の娘ぶた」は赤身も脂身も美味。塊肉を炭火で焼いてお店のグランドメニューに
メニューはすべてアラカルト(単品)で、その中に鴨やイノシシなどのジビエ、牛肉、豚肉などの料理が並びます。「米の娘ぶた」は肩ロースの塊肉を炭火焼きに。お店のグランドメニューともいえる一品です。「『米の娘ぶた』は多くの豚肉と比べて雑味が少なく、クリアな味わいだと感じます。品質も安定していますし、赤身も脂身もおいしい。そのどちらも味わえるバランスのいい部位が肩ロースです」。
炭火焼きは遠赤外線の作用も働いて高温で素早く加熱するため、表面はカリッと焼き固まり、内部のうまみが逃げることなくふんわり焼き上がるのが特長。「他の肉にもいえることですが、特に豚は火を入れすぎるとパサついてしまいます。気を使うお肉ですが、炭火で焼くとさらにおいしいですし、炭を扱う手間が面白くてやっています」。
このメニューにワインを合わせるなら、しっかりめの白か軽めの赤がおすすめとのこと。お店のワインセラーには、グラス400円から「愛飲家の方も満足していただけるような」ものまで国内外の産地の銘柄が幅広くそろっています。
フランス料理に触れるきっかけを与えられるよう、様々な形で楽しんでいただける店に
「いろいろな使い方のできる店になれたらいいなと。食事とワインを一通り味わっていただいたり、2軒目でおつまみとワインで過ごしていただいたり、ここをきっかけにフランスの料理文化にふれてもらえたらうれしいです」。
シェフ 岩本 文平 さん
山形市出身。高校を卒業後しばらくして上京、飲食業界を志望し、居酒屋やイタリア料理店、フランス料理店などでサービスと調理の経験を積む。フランス料理のワインとジビエの文化に影響を受け、ソムリエと狩猟免許を取得。地元での創業を目指して2021年に帰郷し、11月に自店をオープン。山形市創業アワード2021飲食業部門優秀賞受賞。
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
「米の娘ぶた」の自家製ハム
パンにはさんだりサラダにのせたりと、何かと使いやすいハムがこんなに簡単に!一定の温度で湯せんすることで食感はしっとり、豚肉の甘みに塩がなじんでうまみもしっかり。にんにくやブラックペッパーをきかせるとお酒もおいしく進む味に。いろんな部位で試してみてくださいね。
- 「米の娘ぶた」うで肉 1s
- 塩 豚肉1sに対して1.7%
- 砂糖 豚肉1sに対して2%
- すりおろしにんにく(市販品でも可) お好みで適量
- ブラックペッパー お好みで適量
- ボウルなどの容器に豚肉、塩、砂糖、にんにく、ブラックペッパーを入れてよく混ぜたら一晩寝かせる。豚肉が大きい場合は少し長めに。
- @をジップロックなどのフリーザーバッグに入れて、鍋にお湯を沸かして68℃を保ったまま1〜2時間ほど湯せんにかける。温度が高いと肉がパサつくので注意。作り慣れるまで火の通り具合がわからない時は、切って中心まで火が通っているか確認する。
- Aをフリーザーバッグに入れたまま、氷水につけて急冷する。しっかり冷めてから、スライスやカットなど用途に合わせて切る。
※豚肉のお好きな部位でOK
「米の娘ぶた」の
肩ロース塊肉の炭火焼き
赤身に脂がほどよくさしこんだ肩ロースを塊のまま炭火焼きに。炭火に脂が落ちるたびジュ〜っといい音がして、燻煙が肉を包みます。「米の娘ぶた」の甘みを香ばしく包んだ表面のこんがり感が絶妙。塩、マスタード、わさびとお好みの味でいただきます。一皿250g前後で2〜3人分が目安。お一人様分のみボリュームの調整可。