山形駅前の大衆居酒屋「二〇加屋大衆」の姉妹店として、今年4月に隠れ家居酒屋「二〇加屋おくざしき」がオープンしました。デートや接待など、大切な方との会食におすすめのお店です。
福岡、博多の伝統芸能「仁和加」とその銘菓「二〇加煎餅」に由来する「二〇加屋」は、山形市内に2店舗を展開しています。博多の屋台のような賑やかな雰囲気の本店「大衆」に加えて、この春に姉妹店として「おくざしき」がオープン。趣あるお座敷を設けた落ち着いた空間です。
店主の佐藤将孝さんは、地元山形の出身で、高校を卒業後に福岡県の調理専門学校に進学。「他県で調理を学び、地元に持ち帰ることで、山形にいながら多様な食文化に触れられる環境を作りたい」と、博多の料理店や居酒屋などで修業を積んできました。食文化の異なる地でさまざまな料理に触れた経験を生かし、お店では山形牛や海鮮などの山形の食材と、九州地方の料理風に創作した料理を提供しています。
豚肉食文化圏の山形で、赤身と脂身それぞれが際立つ「米の娘ぶた」を愛用
食文化といえば、特に食肉文化は地域性があり、九州地方は鶏肉の消費量が多いとされる一方で、東日本は豚肉をよく食べるといわれています。山形県は畜産の歴史も長く、銘柄豚の質の高さに定評があるのは周知の通りです。
「臭みがなく、赤身と脂身それぞれの良さが際立っている」と佐藤さんが愛用する「米の娘ぶた」は、トンテキに調理。カットした肩ロースを強火で焼き、その後は余熱で火を通すことで、外はカリっと、中はジューシーに仕上がります。トンテキ発祥の地、三重県の味をイメージしたウスターソースベースの濃厚ダレがベストマッチ。お酒のお供にぴったりのメニューです。
また、同じく「米の娘ぶた」の肩ロースを使ったカツサンドは食べ応えがあると大人気。サクサク食感の厚切りロースカツに、スパイスのきいた自家製カレーソースを合わせています。噛むほどに豚肉のジューシーさとうま味が感じられ、必ずシメに食べるお客さんや、家族へのお土産にされる方も多いそうです。
品質の良い山形食材を使い、技術や食文化を工夫して新しい味を生み出す
「山形の食材は、『米の娘ぶた』をはじめ全国的に見ても高品質だと思います。組み合わせ次第で味の可能性が広がるので、お店でひと味違った料理を楽しんでいただきたいです」。修業で培った技術を生かし、新しい味を編み出している佐藤さん。県産食材のさまざまな食文化との融合や、新しい調理法によるメニューなど、今後どんなおいしさに出会えるのか楽しみです。
店主 佐藤 将孝 さん
山形市出身。福岡の調理専門学校で学び、博多の料理店や居酒屋などで修業。帰郷後、2018年に居酒屋を開業。今年4月から「二〇加屋おくざしき」の店主を務める。「気取らずおいしい料理とお酒を」と、メニューを豊富に揃える。コース料理や飲み放題も好評。
取材・文=綴 彩乃
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
「米の娘ぶた」のカツサンド
お店の人気メニューをご自宅で。肉汁たっぷりのロースカツを大胆にサンド。カツだけのシンプルなおいしさを味わうもよし、野菜をサンドしたり、マヨネーズやマスタードなどをあわせたりと、お好みのアレンジでどうぞ。
- 「米の娘ぶた」肩ロース 1枚
- 食パン 2枚
- 小麦粉 適量
- パン粉 適量
- 卵 1個
- 揚げ油 適量
- ソース、マヨネーズ 適量
- 豚肉に小麦粉をまぶす。
- 溶いた卵に@をくぐらせ、パン粉をまぶす。
- 170〜180度の油で5分揚げて取り出し、余熱で火を通す。その後、同じ温度で4分揚げる。
- パンをトースターで焼き、お好みでソースやマヨネーズを塗る。
- CにBのカツを挟み、カットしてできあがり。
「米の娘ぶた」のトンテキ
トンテキには、赤身と脂身のおいしさを味わえる肩ロースが最適。店主の佐藤さん自身が味わったおいしさの感動を多くの方に体験してほしいとメニュー化したそう。