



2025年3月、酒田市に誕生した「いろは蔵パーク」は地域の生活拠点として、また庄内の“いいもの”が集まる場として、地元内外から多くの人が訪れるスポットになりました。パーク内にある100名規模の飲食スペース「イカ恋食堂 ごはん亭」は“イカに恋してる”のキャッチフレーズでおなじみ、イカの加工食品を製造する株式会社山形飛鳥の直営店。酒田港のSAKATANTOに続く2店舗目です。

「酒田には1千年以上ものスルメイカ漁の歴史があります。イカをメインにした飲食店を始めたことで、地域の食文化の発信地になれたかなと思っています」。そう話すのは同社経営企画部の小笠原裕一さんです。
酒田港のイカ釣り船団は、6月に沖合へ出て、漁場を転々としながら半年以上をかけて漁をします。山形飛鳥では第86若潮丸の「船凍イカ」を含む商品を展開。船内で急速冷凍したイカは抜群の高鮮度が特長で、イカ恋食堂ができたことで酒田でも気軽に味わえるようになりました。

「1店舗目はイカをお刺身にしたメニューが主で、2店舗目は『ごはん亭』の名前のとおり、ごはんが2杯でも3杯でも食べられそうな“庄内のおいしいもの”を提供しています」。
重箱の「恋重」は、定番人気のイカ三昧重のほかにネギトロ重なども仲間入り。定食の「恋定」には、まぐろレア天ぷらやからあげに加え、「庄内 米の娘ぶた極上角煮恋定食」というごはんが進むメニューがそろい踏み。角煮は脂を落とし、味をしみこませるために長く加熱しますが、赤身部分はほろっとやわらかく、脂身に甘じょっぱいたれが絡んで、「米の娘ぶた」特有の脂のあっさりとした甘みが際立ちます。



ケンサキイカ
姿造り恋定食
船凍のケンサキイカを味わえるのは全国でも極めて珍しく、その上品なうま味と食感のやわらかさは一食の価値あり。最初にしょうゆをつけずに食べるとその甘さに驚くはず。ケンサキイカとスルメイカ、どちらも姿造りにして1年を通じて食べられるのも鮮度の良さが自慢のイカ恋食堂ならでは。
「できる限り地元の食材を提供することで、地域の経済循環の一部を担えるのかなと。ここを拠点に酒田の良さを発信して、地域がより盛り上がる、その一つのピースになれたらと思っています」。

“イカ太郎さん” 経営企画部 広報担当 小笠原 裕一さん

イカ恋食堂 ごはん亭
酒田市上本町7-50 いろは蔵パーク内
営業時間/10:00〜21:00(20:30 LO)
定休日/年始
席数/120席


庄内 米の娘ぶた
極上角煮恋定食
赤身と脂身を絶妙な割合でカットし、タレは甘すぎず隠し味をきかせることでこのボリュームでも完食必至。脂が脂っぽさを感じさせず口の中でとろりと溶けて後味もあっさり。