



フランス発祥のレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』日本版に東北が加わって以来、3年連続で掲載されているこちらのお店。オーナーシェフの鈴木さんは、東京の山の上ホテルでフレンチの基礎を学び、その後はシェ・松尾、フランスの三ツ星ギィ・サヴォア、スイスの五ツ星ホテルなど国内外の名店で多くの経験を積んできました。

5年前に地元山形に構えたお店は、市街の喧騒から離れたテーブル2つのレストラン。現在のメニューは昼夜共通1種のコース料理で、評判を聞きつけた人たちが県内外から二度三度と訪れています。「海外経験を通して日本人の繊細さはすばらしい長所だと気づいて、自分も丁寧さを大切にしていこうと思いました。料理一つ一つをしっかり作り上げて提供したいのでテーブルは2つだけなんです」。

『ゴ・エ・ミヨ』2025の講評で「一皿目のアミューズからハッとさせられ一気に引き込まれる」というその料理は、山の上ホテルで学んだクラシックフレンチをベースに、食材は山形、東北のものがさまざまに使われています。
「お店を始めた頃はフランスから肉類を取り寄せることもありましたが、それだと山形で店をやる意味が薄い気がして。食材を探し始めたら牛肉も豚肉もいろいろな銘柄があるし、直売所には面白い野菜がたくさんある。この食材をどう料理しようか考えて作るのがどんどん楽しくなったんです。食材が豊富だからこそできることで、ありがたいですよね」。

メインディッシュの一つの山形牛も、赤身を主体に適度なサシが入り、しっかりとお肉の味がするからこそ、ソースにも合わせやすいとのこと。主食材、付け合わせ、ソース、一皿の中にひと手間もふた手間も加えて、味と食感の妙で楽しませてくれます。

「旅行で来られた県外の方にも山形の食材を知ってほしいですし、山形で食事をした実感を体験してほしいなって。地元の皆さんにも、山形の食材はこんなふうにも食べられるんだよっていうのを知ってほしい。山形の食材を使って料理をしているこの楽しさが、お客様にも伝わるといいなと思っています」。

オーナーシェフ 鈴木 俊矢さん

credo
山形市飯田5-21-11
営業時間/ランチ12:00〜 ディナー18:00〜
定休日/日、月曜日
※前日まで要予約 1日2組限定・2〜8名まで
(5名以上で貸し切り利用可)
お店に聞いた「米の娘ぶた」
おすすめレシピ
初めに焼き色をつけてからローストするのが一般的ですが、手順を逆にしてあら簡単!「米の娘ぶた」持ち前のうま味をぎゅっと閉じ込めた本格的なロースト、ぜひご家庭で。
「米の娘ぶた」のローストポーク

- 「米の娘ぶた」のバラ肉またはヒレ肉 ブロック
- オリーブオイル
- 塩、こしょう
-
ソース:
- トマトピューレ
- なす
- 実山椒の塩漬け
- ミニトマト
- みょうが
- この日使ったのはヒレ肉。ポリ袋にヒレ肉とオリーブオイルを入れて、空気を抜いて真空状態に。鍋にお湯を沸かして、60℃くらいで30分ほど加熱する。
- @の袋からヒレ肉を取り出して、塩、こしょうをする。フライパンを熱してヒレ肉全体の表面に焼き色を付ける。
- Aをアルミホイルに包んで、常温または温かいところに置いて、粗熱を取る。
- トマトピューレに刻んだミニトマトを合わせておく。
- なすを皮ごと焼く。皮を焦がすように焼いて中に火が通ったら、皮をむいて刻む。
- みょうがは刻んで、実山椒の塩漬けはすりつぶしてDに加え、塩、こしょう、オリーブオイルで味を調える。
- お皿にEと、その上に切り分けたBのヒレ肉をのせ、Cのソースをかける。


山形牛のロースト
ブルーベリーソース
ほどよく脂がのってやわらかな山形牛のイチボに、発酵させたブルーベリーのソースと新鮮な果実を加えてフレッシュに。付け合わせは万願寺とうがらしのグリルと湯あがり娘(枝豆)をブロッコリーのソース、かぼちゃのクランブルと、彩り、食感、味と香りが何層にも楽しめる一皿。