酒田駅前の交流拠点施設ミライニができて5年がたち、併設する「月のホテル」には、観光客だけではなく地元でステイケーションを楽しむ人なども多く訪れています。旅する人にも地元の人にも、ホテルレストランは特別な空間。月のホテル併設のオールデイダイニング「月のみち」が2025年6月にメニューを一新、よりカジュアルに、より多様な用途に利用できる場となりました。

「ミライニに来られた皆さんや、駅周辺にいらした方に幅広く利用していただきたくて、ランチのメニューを大幅に変えて、カフェタイムも始めました」。そう話すのはレストランの支配人を務める神崎大輔さん。これまで星野リゾートなどで料飲部門のディレクションを長く担当し、今回、月のみちのリニューアルに全面的に参画しています。

ランチは和食が中心だったメニューに加えて、パスタやお子様プレートのほか、食事にもデザートにもなる焼きたてのワッフルをカフェタイム共通で提供。以前から人気の高かった定食や丼ものは定番化しました。「前からのメニューで、僕も特においしいと感じたのが『米の娘ぶた』のとんかつです。かつ丼やソースかつ丼、カツカレーもすごく好評ですね」。「米の娘ぶた」の特長である赤身のやわらかさとうま味、そして脂の甘み、肉質全体のバランスの良さを引き出し、揚げても軽く食べられるとあって、とんかつを目当てに訪れる人も多くいます。

「米の娘ぶた」をはじめ庄内の食材を多く使い、開業当初からの「庄内を感じてもらえる場に」というコンセプトはそのままに、特別な日にも普段使いにも寄り添うメニューが充実した今、客層はぐんと広がりを見せました。「気軽に皆さんに来ていただきたくて、年４回程度のイベントも企画しています。また、ディナーも郷土料理をひと工夫したメニューを加える予定で、地元の方にも旅行の方にもそれぞれに地域の味を楽しんでもらえるよう準備しているところです」。

日常的に訪れる人や、旅で訪れた人、多様な人々が行きかう交流施設で、それぞれの時間を「食」でつなぐダイニング。窓の外からも、多くの人にひらかれたオープンな雰囲気が伝わってきます。